乳幼児に注意して与える食材
下記の食材は1歳未満の乳幼児にはできるかぎりあげないようにしましょう。
離乳期も注意して食品を選びましょう。
1. はちみつ、未精製の砂糖、さとうきび、コーンシロップ、野菜ジュース《禁1歳未満》
これらの食品は乳児ボツリヌス菌症を引き起こす危険性があります。
ボツリヌス菌は極めて毒性の強い菌で、通常は土や泥の中などに存在し、酸素がない状態で増えることができる性質をもつ菌です。
自家製のものや海外からの野菜や果物の缶詰、真空パックの魚の燻製(くんせい)などで古くなったものを食べると感染することがありますので注意が必要です。
この菌は毒素を産生し、毒素が神経と筋肉の接合する箇所を選択的に侵しますので、神経の伝達が筋肉に伝わらなくなり、筋肉がだるくなったり、
麻痺(まひ)を起こしたりします。進行すると呼吸障害に陥ることもあります。
「はちみつ」の中にはハチが運んでくると思われるボツリヌス菌が含まれている可能性があり、日本で生産されるはちみつの5~10%程度にボツリヌス菌が混在すると言われています。海外のものはもっと多いとされています。
実際にはちみつを食べてボツリヌス中毒を起こした乳児の例は世界中に知られています。
乳児に起こる場合は大人と違って、菌の中の芽胞(耐久性の高い細胞構造で、育つ環境が悪化すると作られ、よくなると発芽する胞子)が乳児の腸管に入り、大腸で増殖して毒素を産生するためと言われています。1歳を過ぎると芽胞が入っても乳児のように増殖しないので問題にはならないようです。
症状は、頑固な便秘が続き、泣き声が弱くなったり、力が入りにくくなるといった症状が出ます。熱はあまり出ず、意識もはっきりしていますが、
進行すれば呼吸障害にまで至ります。
ボツリヌス菌の毒素は熱に弱いので、煮沸(100度で数分)すれば毒性はなくなるとされています。
芽胞は熱に強く、さらに十分な熱処理(120度で数分)が必要とされています。
2. なまもの、未加工の食品、未加熱食品
生の食品は鮮度に注意が必要ですし、多くの雑菌、寄生虫などのしんぱいもあります。
また生の食材は消化に時間がかかるものが多く、乳幼児の腸には負担がかかります。
また妊婦さんに注意が必要なリステリア菌も乳幼児には注意が必要です。
• ソフトチーズ(フェタチーズ・カマンベールチーズ・ブリーチーズ・ブルーチーズ・queso blanco frescoなどメキシカンスタイルのチーズなど、柔らかいチーズ)。
チーズの中でもハードチーズ・セミソフトチーズ(パルメザンチーズやモツァレラチーズ、低音殺菌済み(pasteurized)のプロセスチーズ、クリームチーズ、カッテージチーズなど)は大丈夫です。
• ランチミート(ハムやソーセージなど)。食べる前にしっかり火を通したものであれば大丈夫です。
• 要冷蔵のパテやミートスプレッド。缶入りのものは大丈夫です。
• 生のサカナ、スモークされた魚介類。火を通して調理されたものは大丈夫です。
3. アルコール、香辛料
調理で使うアルコールは、加熱するとアルコール分は飛んでしまうので問題ありません。
強い香辛料は味覚を麻痺させたり、食堂や胃壁を荒らしますので気をつけてください。
4. 炭酸飲料(糖分の過剰摂取、1日一缶以上の炭酸飲料(加糖)で2型糖尿病の発症リスクを上昇)
5. インスタントフード、カップラーメン、袋麺など、スナック菓子、ファストフード類、肉類加工品
(油脂、塩分、糖分、添加物等の過剰摂取)